茶の湯ブログ

お茶のある日常生活
茶の湯ブログ · 2023/04/13
日本茶はお好きですか?私は幼い頃から、お茶のある生活を過ごしてまいりました。両親が地方出身ということもあったのでしょうね。父親が鉄瓶で湯を沸かして、煎茶を淹れている姿を覚えています。父親は他界していますが、今思えば風情のある人でしたね…。質素でしたが、日々の生活の中にお茶がありました。そのため、今でも葉っぱのお茶(煎茶)でお茶を淹れています。日中も食後にも、普通に煎茶を淹れてます。もしかしたら、あまり普通とは言えない時代かもしれませんね。それでも、お忙しい方にこそ、少しの手間をかけて美味しいお茶を味わっていただきたいものです。そうした時間こそが大事だと思います。疲れがとれそうです。ぜひお試し下さい。

10月に気温30度で茶道稽古しますか?
茶の湯ブログ · 2022/10/15
昨日に続き、今日の名古屋は30度近くまで気温が上昇しています。いったいどういう事なのでしょうか?秋風を感じますので、日陰に居ると暑さを忘れます。それでも外出には日傘が欠かせません。茶道の稽古では、10月は「秋の中置き」というお点前を稽古します。稽古場では窓を少し開けていれば、暑さは凌げました。このような異常気象の中で、「秋の中置き」は少し無理があったような気もします。ただ、茶道ではそうした世俗的なことは関係ないものです。暑くても寒くても、決められたことはやるということがあります。理不尽なことでも続けていくと、心が鍛錬されていきます。そして、集中力も付きます。見た目よりも、キツいことがありそうですね。そうしたことを、尊しと思うかどうかです。楽しいだけでは修養になりません。そうかと言って、辛いことばかりの稽古では嫌になります。教える側としては、そうした微妙なさじ加減を見ながら進めています。稽古場に通うお弟子さんへは、「騙されたと思ってやってごらん」等と言うことがございます。大事な弟子なので、厳しいこと言いますが、何となくお弟子さんは楽しそうです。頑張るお弟子さんをこれからも応援し続けます。

茶道の稽古ー竹台子
茶の湯ブログ · 2022/09/16
9月半ばになりましたが、名古屋では日中30度を超える日が続きます。稽古中にはエアコンが入った状態です。その昔は、精神修養のためにも暑いからと言ってエアコンを入れることはございませんでした。ただ、時代と共に自然環境も変化しています。年間を通じて季節感が薄くなってまいりました。茶の湯は季節感を示す道具を用意して室礼を整える楽しみがあったのですが、最近は異常気象が続きますが、教室ではできる範囲で従来式の稽古を続けています。今月は、大棚扱いの竹台子の稽古を致してます。お弟子さんの中に、11月に出産を迎える方がいます。道具の運び出しの負担が少ないお点前にしました。棚板に水指、柄杓立て、蓋置を入れた建水、薄茶器を飾ってます。板は桐の材質で、柱は白竹です。ちなみに、この竹台子は9月にしか出しません。そうした中にも、お弟子さんたちは自然と手順を覚えていきます。年数は必要ですが、頭で考えなくても自然に手足が動くようになるのです。出産のため稽古から離れることは淋しいのですが、喜ばしいことです。よいお母さんになることでしょう。お弟子さんとは出会いと別れがありますが、全て無常であり有難く承ります。合掌。

茶道稽古のお菓子に岡山の「むらすずめ」
茶の湯ブログ · 2022/09/04
9月に入りました。少しづつ秋の気配を感じるこの頃です。日中は、蒸し暑いものの、朝晩は涼しくなってまいりました。茶道教室の稽古では、毎回お菓子が用意されます。お点前といってお茶を点てる稽古とお客さんの作法の稽古があります。そのため、毎回の稽古では必ず和菓子と抹茶をいただくことになります。稽古の始めの頃は、お菓子を楽しみにするお弟子さんもいるようです(笑)。今回は、岡山県の倉敷の銘菓「むらすずめ」を用意致しました。お菓子元は廣榮堂さんです。このお菓子は明治初期から作られているそうです。北海道産の小豆を包み、網笠のように仕上がってます。卵を使った薄皮が稲穂に集まる雀のようとも言われます。いずれにしましても、自然の光景を連想させますね。実りの秋にはぴったりのお菓子です。私もその昔、師匠の稽古でもこのお菓子をいただいた記憶がございます。厳しい師匠でしたが、ふと懐かしく思い出されました。茶道には、このような記憶の装置が沢山ございます。コロナ禍により、人と人との集まりは控えるようになりましたが、日本の伝統は受け継いでまいりたいです。

夏の和菓子に「塩きんつば」を用意しました
茶の湯ブログ · 2022/08/21
8月も後半となり、日中の暑さはいくらかしのげるようになりました。コロナ禍が続く中ですが、日々を丁寧に暮らすことを味わっています。いつの頃からか、季節感が薄れている日本となりましたが、茶道では季節感を大切にします。季節のお道具や床の間の茶花により、時を醸成させていくのです。これが粋と感じるか無駄と感じるかはそれぞれです。ただし、日本の文化を大切に育むには一見は無駄と思いえることを継続していくところに価値が見いだせそうです。たとえば、暑い中の来客へお茶菓子を用意するとなります。何がよいかと考えます。茶道の稽古では、そうしたことが身についていくのです。それには、沢山の和菓子を知っていないければなりません。今の時代はネットで検索すると沢山ヒットしますが、それではありきたりとなります。夏の茶道稽古で「塩きんつば」を用意してみました。石川県能美市からの取り寄せ和菓子です。一瞬にして能登半島に思いを馳せることが叶います。奥能登の天然塩である「珠州の海」が使用されています。今年の夏に海水浴がなかった場合でも、お茶とお菓子で演出します。そのような遊び心を取り入れながら稽古しています。

夏の和菓子は水菓子「くずまんじゅう」
茶の湯ブログ · 2022/07/23
連日のように続く酷暑の日は、少しでも涼やかになる演出も必要かもしれません。茶道稽古では、夏の和菓子に水菓子を用意することがございます。コロナ禍で人と人との交流が少なくなりました。手土産を用意して他家へご挨拶に伺うことも少ないことでしょう。ただ、相手をお迎えする心得としては、客人をもてなう準備をしてお待ちします。お茶受けの和菓子には、冷たく冷やした水羊羹等も喜ばれたものです。茶道稽古では、華桔梗の「くずまんじゅう」を用意致しました。お弟子さんから美味しいと評判です。夏こそ水菓子です。お試し下さい。

茶道教室のお菓子~兼六園の名物饅頭
茶の湯ブログ · 2022/06/05
茶道教室へ通う方の楽しみのひとつに、稽古で出されるお菓子があります。今日のお菓子は何かなぁと期待することで楽しみが生まれます。そのため、当教室では地元を始めとして、全国各地から取り寄せします。今回は、金沢の兼六園の末広堂の「うすかわまんじゅう」をご紹介します。薄皮饅頭は全国に沢山ございますが、末広堂の饅頭では、昔ながらの素朴な味わいを楽しめます。黒ごまの風味が風情をそそぎます。ほんのりと香ばしい香が茶室いっぱいに広がります。あいにくコロナ感染対策のため、室内ではマスク着用でお願いしているので、香りがわかりにくかったかもしれません。そのような折は、私から説明を加えています。コロナ禍であるため、やはり感染予防はしっかり行います。入室時の手洗い、消毒は徹底してます。皆さんにご協力いただき、感謝してます。お菓子を用意するにも、写真のようにセロファンの包装のままです。実際には、ご本人に包装を解いて召し上がっていただくか、そのままお持ち帰りいただいてます。withコロナと申しますが、何かしら工夫が必要となってまいります。難しいところですが、時流に合わせて進めていきます。

端午の節句のお菓子~伊勢の焼き菓子
茶の湯ブログ · 2022/04/30
連休に入りました。教室の対面稽古はお休みになりますが、一部オンライン指導は対応しています。瞑想や巫女舞等でゆったりと日本を堪能することで心の疲れが取れるかもしれません。さて、今月の最後の茶道部門の稽古では、端午の節句のお菓子を用意しました。稽古にやって来るお弟子さんも毎回のお菓子が楽しみであるように、用意する私も今日は何にしようかと考えることが楽しみになっています。端午の節句は男児のお祝いではありますが、日本の行事として馴染んでいます。必ずしも鯉のぼりをあげたり、人形を飾ることはなくても、普通に柏餅や粽をお召し上がりになるのもよろしいでしょう。今回用意したお菓子は、餅入り抹茶つぶ餡の焼き菓子です。写真ではリアルな模様ですが、実物は可愛いイメージの鯉です。若い鯉でしょうか。お弟子さんには好評でした。コロナ禍で分断社会が形成されてしまいましたが、こうした和みの時間も大切です。現代社会では日本文化に親しむ時間を作っていないと、待っていても機会は来ないです。稽古に通えればよいのですが、仕事や通学のことを思うと時間の確保が難しいかもしれません。そうしした状況で稽古を続ける努力は感心です。

茶道教室のお菓子~笹団子の香りを楽しむ
茶の湯ブログ · 2022/04/09
茶道教室へ通う方の楽しみのひとつに、稽古で出されるお菓子があります。特に初心者の時期は、毎回覚えることばかりで、精神的に余裕がありません。そのような時は、今日のお菓子は何かなぁと期待することで楽しみが生まれます。心に少し余裕をもたせることになります。教室では、毎回お菓子を用意しています。ひとつのお菓子元に定める教室もございますが、当教室では地元を始めとして、全国各地から取り寄せします。実に多様化しています。食べにくい和菓子も当然ありますが、稽古ですので大丈夫です。今回は、新潟の「笹ざくら」という桜の葉入りの白あん団子を笹の葉で包んだ季節感あふれるお菓子でした。笹の香が茶室いっぱいに広がります。あいにくコロナ感染対策のため、お弟子さんはマスク着用で稽古していただいてます。鼻をマスクで覆うため、香りがわかりくかったでしょう。それでも、手元に寄せた時にほんのりと香を楽しんでいる気配でした。画像のようにピンク色の紐で笹の葉を固定させているため、召し上がる時には紐をほどき、笹の葉を剥いて中身を取り出していきます。一見して面倒のようですが、それが醍醐味と言えます。この微妙な間合いが日本的です。

名城茶会の思い出がいっぱい
茶の湯ブログ · 2022/03/27
毎年この時期になりますと、名城茶会が開催されていました。春のと秋の年2回です。具体的には、春のお茶会は3月の最終日曜日と4月の最初の日曜日の2日間です。前売券を用意して、お弟子さんを連れて出かけたものです。今になると当然に思っていた日常の出来事がとても貴重な経験とされます。市民茶会なのですが、お花見や名古屋城見物を兼ねて本当に賑わっていました。外国人の旅行者の方がお茶会へお立ち寄りになられる時にご一緒することもございました。正座が大変そうでしたが、皆で和みの時間を過ごしたことが思い出されます。コロナ禍により、多くの行事が中止や延期となりました。少しづつ規制が緩やかになっていますが、コロナ前と全く同じというわけにはまいりません。感染等の衛生上のことからは、大寄せのお茶会開催は難しい課題となります。知らない人同士が限られた空間で集い、同じ時間を過ごす体験をしてきました。一緒にお菓子をいただき、お茶を頂戴しました。実体としての体験です。一期一会は日本人には大切なことです。これまでのお茶会に代わる出来事が訪れることを願います。

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